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人間ドックを受けた後、しておきたいこと

投稿日:2025年7月4日 更新日:

人間ドックの検査結果の見方

静岡県浜松市のATSUSHIメディカルクリニック、院長の鈴木淳司です。

人間ドックの最大の目的は、自覚症状のない病気や、将来病気を引き起こす可能性のある身体の異常を、できる限り早期の段階で発見することにあります。 言い換えれば、健康状態を確認するだけでなく、「見えないリスクを見える化する」ための予防的な医療行為です。

しかし、「人間ドックを受けること」そのものがゴールではありません。 実際に大切なのは、受けた後にしっかりと検査結果に目を通し、その内容を正しく理解し、必要に応じて次のステップに進むことです。

一般的に、人間ドックの検査結果は受診から1〜2週間程度で郵送されることが多いですが、混雑する時期にはそれ以上かかる場合もあります。 結果が遅いからといって、必ずしも「悪い結果が出たのでは」と心配する必要はありません。逆に、検査結果によって緊急性が高いと判断された場合には、郵送を待たずに医療機関から電話で連絡が来ることもあります。

届いた検査結果は、「人間ドック学会」の判定区分に従って評価されていることが多く、各項目に次のような記号で判定が記載されています。

  • A:異常なし
  • B:軽度の異常
  • C:要再検査・生活改善が必要
  • D:要精密検査・治療が必要
  • E:現在治療中

AやBの判定であれば、特に治療の必要はなく、現在の生活習慣を維持しながら健康管理に努めればよいでしょう。 ただし、CやDの判定が出た場合、「深刻な病気なのでは」と不安になるかもしれませんが、それこそが人間ドックの意義であり、早期に異常が見つかったことで、より適切な対応が可能になるのです。

また、Eの「治療中」と判定された方は、引き続き医師の指導のもと治療を継続することが大切です。

要再検査と要精密検査の違い

検査結果でCやDの判定が出たとき、多くの人が「Dのほうが重い状態では?」と心配するかもしれません。
たしかにDの「要精密検査・治療」はより詳しい対応が求められるケースですが、CとDの違いはあくまでも「次にどのような検査や対応が必要か」という観点から分けられています。

C(要再検査・生活改善)の場合、検査数値にやや異常が見られたものの、それが一時的な変動である可能性があると判断されたときに出される評価です。
この場合は、再度同様の検査を行い、数値の推移を確認します。 たとえば、食事内容や睡眠不足、ストレスなどが原因で一時的に数値が変動していた、ということも十分に考えられます。

一方、D(要精密検査・治療)は、数値の異常が明らかで、かつその原因を突き止めるために、より詳細な検査や画像診断、専門医による診察などが必要とされる場合に出される判定です。

いずれにせよ、「症状がないから」「忙しいから」と放置するのではなく、検査の予約や医師の診察を受ける準備を早めに行いましょう。 時間が経過することで、症状が進行してしまうこともありますので、注意が必要です。

自己判断しないこと

近年はインターネットでさまざまな健康情報を簡単に調べることができます。 その結果、人間ドックの検査結果に対しても「ネットで調べたから大丈夫そう」「前もこうだったから問題ない」と、自分で判断してしまう人も少なくありません。

しかし、検査結果を医師でもない自分が判断するのはとても危険です。
人間ドックにはお金も時間もかかります。 せっかく受けた検査を、自己判断だけで終わらせてしまっては、受診の意味が薄れてしまいます。

とえ異常の程度が軽くても、医師の判断を仰ぎ、必要な再検査や生活改善に取り組むことが、将来の健康維持につながります。
また、届いた検査結果は次回の人間ドックと比較する資料として、保管しておくと良いでしょう。
前回との数値の変化を見ることで、自分の生活習慣や体調の変化に気づく手助けになります。

まとめ

人間ドックは、今の自分の健康状態を知るとともに、将来起こりうる病気のリスクを早期に把握するための大切な健康管理ツールです。
しかし、検査を受けただけで安心してしまい、結果をきちんと確認せずに終わってしまっては、その意義が半減してしまいます。

たとえ「異常なし」という結果が出ても、それは“今のところは問題ない”というだけの話であり、健康維持のためにはこれまでの生活を見直すよい機会となります。
また、CやDの結果が出た場合には、「深刻なのかも…」と不安になりすぎる必要はありませんが、そのまま放置せずに再検査や精密検査を受けることで、安心を得ることができます。

人間ドックをきっかけに、自分の身体と真剣に向き合い、よりよい生活習慣を築く第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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