静岡県浜松市のATSUSHIメディカルクリニック
市野検診センター(人間ドック)、院長の鈴木淳司です。
梅雨は食中毒が起こりやすい季節です。
それは梅雨のように高温多湿な環境は、食中毒の原因となる細菌が繁殖しやすいからだといえます。
火を通せばなんでも食べられると考えがちですが、実は火に強い食中毒菌も存在していることをご存じでしょうか。
食中毒は細菌やウイルスの影響によって、年中起こる可能性があります。
このページでは、とくに6月以降に増えやすい細菌が関係している食中毒について、対処法や治療法について紹介します。
目次
食中毒で受診すべきタイミング・診療科は?
食中毒とは、食べ物を口にしたことが原因で起こる胃腸炎や神経障害などのことです。
代表的な症状には、腹痛、下痢、吐き気・嘔吐などがあります。
気になる症状があれば消化器内科へ
便に血液が混ざっている、腹痛や下痢が続いているなどの症状が気になるときには、消化器内科を受診しましょう。
下痢や吐き気を止めるような成分の入った市販薬を利用しても症状が治らないときにも、早めに病院を受診しましょう。
ひどい症状があれば、救急車を利用
たとえば、以下のような症状はありませんか。
・1日のうち10回以上の下痢や嘔吐がある
・高熱があり、声をかけても返事がない
・呼吸が乱れている
・口から水分が飲めない
・激しい腹痛が続いている
このような症状があるときには、夜間帯であっても病院を受診しましょう。
救急外来のある病院がわからないときや、症状がひどいと感じるときには、救急車を利用するのもよいでしょう。
食中毒で起こる症状とは
梅雨時期に増える食中毒は、細菌が関係しています。
代表的な食中毒菌には、以下の種類と特徴があります。
黄色ブドウ球菌
弁当、おにぎり、乳製品、練り物などの食品が原因となって起こる食中毒です。
加熱に強く、熱を通しても毒素が無毒化されないという特徴を持ちます。
代表的な症状は、吐き気・嘔吐、腹痛、下痢です。
カンピロバクター
鶏肉、牛肉などのレバーや刺身などの食品が原因となって起こる食中毒です。
10℃以下の冷所であっても無毒化されないという特徴を持ちます。
代表的な症状は、頭痛、発熱・悪寒、吐き気・嘔吐、腹痛・下痢・血便です。
ウェルシュ菌
カレーやシチューなど、大量の調理をしたときに起こりやすい食中毒です。
鍋の底など空気がない場所や、長時間加熱しても無毒化されないという特徴を持ちます。
代表的な症状は、水様性の下痢、腹痛、吐き気・嘔吐です。
食中毒の予防・対処法は?
ここでは、食中毒の予防に効果のある対処法を紹介します。
【手や器具の洗浄や消毒】
・調理器具は洗浄殺菌する。
・手に傷があるときは、直接食品を触らないように注意する。
・肉を触った後は、手洗いと消毒をする。
【調理や保存】
・肉や魚などは、購入後すぐに冷蔵庫に入れる。
・調理後の食品を保存するときには、早めに冷却する。
・冷蔵庫に入れても菌は増殖します。なるべく早めに食べましょう。
【加熱時の注意】
・肉類は生で食べずに充分加熱する。
・野菜類もなるべく生食は控えて加熱する。
・調理中はよくかき混ぜる。
食中毒の治療方法は
食中毒の治療は、一般的な問診に加えて、血液検査、尿検査などの各種検査で原因を調査します。
原因を特定した後は、原因菌に効果のある抗生物質の利用や、点滴、整腸剤などの薬を使って治療します。
まとめ
梅雨時は、細菌性の食中毒が増えやすい季節です。
気になる症状があるときには、早めに病院を受診しましょう。
また、今回紹介したような予防・対処法を参考にして、調理するように心がけるとよいでしょう。
静岡県浜松市にある当院では、消化器内科で食中毒の治療もおこなっています。
とくに子どもや高齢者は、下痢や嘔吐などで脱水症状が進行して、体調が急激に悪くなりがちです。
今回紹介したような体調不良が気になるときには、いつでもお気軽にご相談ください。