静岡県浜松市のATSUSHIメディカルクリニック
市野検診センター(人間ドック)、院長の鈴木淳司です。
糖尿病は、痛みなどの自覚症状に乏しい病気です。
そのため糖尿病だとわかったときには、すでにさまざまな病気が発症していることも珍しくはありません。
とくに将来糖尿病になる恐れがある「隠れ糖尿病」は、健康診断でも見逃されがちです。
今回は「隠れ糖尿病」について紹介します。
隠れ糖尿病とは
そもそも糖尿病とは、どのような病気なのでしょうか。
通常であれば、ご飯などの炭水化物は体の中でブドウ糖に変化して腸から吸収されます。
そして血液中にブドウ糖が増えると、インスリンの働きによって脳や筋肉などにブドウ糖が取り込まれてエネルギー源となるのです。
しかし糖尿病になると、インスリンが正常に働かなくなり、ブドウ糖が脳や筋肉などに届きにくくなります。
また血管内に使われないブドウ糖が増えたままになるので、その影響で動脈硬化が進行しやすくもなります。
健康診断で実施している糖尿病の検査は、主に「空腹時血糖値」です。
空腹時とは一定期間食事していない状態のことを指します。
その状態で血糖値が高いのは、ブドウ糖がすでに血液中に多く存在しており、インスリンが正常に働いていないことになります。
糖尿病検査には、健康診断で実施する「空腹時血糖値」以外にも「食後高血糖」という項目もあります。
食後に高血糖状態が長く続いているのは、インスリンが正常に働いていないことを意味するのです。
このような「食後高血糖」の特徴がある糖尿病は、通常の健康診断では調べられない検査のため「隠れ糖尿病」とも呼ばれています。
食後高血糖による疾患のリスク
「食後高血糖」は、食事の後に上がった血糖値をもとに戻す働きが弱い状態です。
これを「耐糖能異常」と呼びます。
耐糖能異常では、血液中にブドウ糖が多いまま、長時間が経過していきます。
そのため通常よりも動脈硬化を進行させやすい状態になり、それが心筋梗塞、狭心症、脳卒中などのさまざまな病気を引き起こす原因になるのです。
とくに動脈硬化や糖尿病は、痛みなどの自覚症状がないので定期的な検査が必要といえるでしょう。
隠れ糖尿病対策に人間ドック
隠れ糖尿病が心配なときには、人間ドックで詳しい検査を受けてみるとよいでしょう。
当院の人間ドックでは、一般的な血液検査の項目である「空腹時血糖」以外にも糖尿病に関する検査をしております。
普段の血糖値コントロール状況がわかる「HbA1c」や、インスリンの効きやすさがわかる「空腹時インスリン」の検査があります。
動脈硬化によって起こりやすい心臓病や脳卒中などの病気の発見にも、人間ドックは有用です。
さらに糖尿病が進行して高血糖状態が続くと、「三大合併症」と呼ばれる網膜症、腎症、神経障害といった症状があらわれることもあります。
このような三大合併症の発見にも人間ドックは向いています。
そのほかにも現在体の中で気になる点について医師に気軽に相談できるなど、人間ドックのメリットはたくさんあります。
「今まで人間ドックをしたことがない」、「糖尿病などの生活習慣病が気になる」、「体の中で気になることがある」このようなときには人間ドックを受けていただける当院までいつでもご相談ください。
まとめ
糖尿病は、症状が進行していても自覚症状に乏しく、自分ではなかなか気がつきにくい病気です。
気がついたときには、「三大合併症」と呼ばれるような網膜症、腎症、神経障害が起こっているかもしれません。
糖尿病なども含む生活習慣病が気になるときには、定期的な健康診断で糖尿病に関する検査をしてみましょう。
静岡県浜松市にある当院では複数の人間ドックプランを準備しています。
お一人おひとりのご希望やお悩みに合わせて各種オプションもご利用いただけます。
自覚症状がほとんどない糖尿病などの病気について詳しい検査を受けたいときには、いつでもお気軽にご相談ください。