消化器内科 院長コラム

疲れがとれない?食欲の秋は肝機能低下にご注意を

投稿日:2023年1月24日 更新日:

静岡県浜松市のATSUSHIメディカルクリニック、院長の鈴木淳司です。

食べ物が美味しく感じる季節といえば秋です。
しかし気温の変化や低気圧などの影響で自律神経が乱れやすい秋は、「なんとなく食欲がない」「体がだるい」などの不調を感じることもあります。
また、飲み過ぎや食べ過ぎといった生活習慣も肝臓に負担をかけます。
どれだけ休んでも疲れがとれないときには、ただの疲労ではなく肝臓の働きが低下しているのかもしれません。

ここでは肝臓の働きと疲労の関係について紹介します。食欲の秋にこそ、規則正しい生活を心がけて疲労をとりのぞきましょう。

診察を行う院長

肝臓の働き

人間の体にとって一番大きな臓器とも呼ばれている肝臓は、正常な生命活動を維持するために大切な臓器です。
ここでは、肝臓の主な働きについて紹介します。

・代謝
食事から摂ったさまざまな栄養素を、体内で利用できる形に変換します。

・解毒
アルコールなどの体にとって有害になる物質を分解して無毒化します。

・胆汁の生成
胆汁を分泌して栄養素の消化吸収を高めます。また消化酵素をつくり出し、血中のコレステロール値も調整します。

・エネルギーの貯蔵
脳にとって唯一の栄養源であるグルコースを、必要なときに供給できるように貯蔵しています。

肝臓はこのように複数の機能をもつ大切な臓器です。しかし肝臓は、病気が進行してもほとんど自覚症状が出ない臓器でもあります。

肝機能が低下した症状

肝臓の働きが低下すると、肝臓にとって大切な働きが維持できなくなります。
たとえば以下のような症状がないか確認してみてください。

・食欲が低下した
・お酒を美味しく感じなくなった
・足がむくみやすい
・お腹が張りやすくなった
・発熱、喉の痛み、頭痛がある
・尿が黄色い
・白目が黄色い
・吐き気がある

このような症状は、肝臓の機能が低下している代表的な症状です。
体が疲れやすくなったという症状の他に、当てはまる症状があるときには肝臓に問題が起こっているのかもしれません。

こんな生活習慣はNG

肝臓に負担がかかる生活習慣を続けていると、肝臓の病気を発症しやすくなります。

・食べ過ぎ
過食は肝臓に中性脂肪を蓄積させやすく、脂肪肝を起こしやすくなります。
脂肪肝を放置していると、肝炎や肝硬変といった病気につながりやすくなるため注意しましょう。

・アルコールの過剰摂取
アルコールの飲み過ぎは、肝臓におけるアルコール分解に過度な負荷をかけてしまいます。
通常であれば肝臓でつくられるべきエネルギーが正常につくれなくなるため、疲労感につながります。

・過度な運動
正常な肝臓はアンモニアを尿という形に変換して体外へと排泄しています。
筋肉トレーニングなどで過度に運動したときには、アンモニアという成分が体内に増加してしまい、それ以外の働きがおこなわれにくくなってしまいます。

・慢性的なストレス
過度なストレスにより自律神経が乱れてしまうと、肝臓が正常に働きにくくなります。
緊張状態が続くことで、交感神経が活性化されると肝臓の血液量も減少してしまい肝臓に負担がかかってしまいます。

上述したような生活習慣を続けていると、肝臓が働き過ぎて疲労を感じることがあるでしょう。
肝臓は自覚症状に乏しい臓器です。暴飲暴食しがちな食欲の秋には、肝臓にとって負担がかからないような規則正しい生活を心がけるとよいでしょう。

さわやかな表情の女性

まとめ

肝臓の機能が低下していると、疲労などを感じやすくなります。
肝臓に負担をかけるような生活習慣に覚えがある方は、規則正しい生活を過ごすように心がけましょう。

静岡県浜松市にある当院には、消化器内科・内科・外科の診療科目があります。
消化器内科では肝臓の検査や薬を使った治療も可能です。
休んでもとれない疲労、体調不良が続いているなど、肝臓の調子が気になるときにはいつでもご相談ください。

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