大腸カメラでできるポリープとがんの早期発見
静岡県浜松市のATSUSHIメディカルクリニック、院長の鈴木淳司です。
便秘や下痢、便が細くなる、残便感があるといった排便の変化は、日常生活の中で誰しも一度は経験するものです。
そのため「そのうち治るだろう」と放置してしまうことも多いかもしれません。
しかし、こうした症状が長引いている場合、腸の異常を知らせるサインである可能性があります。
特に40代以降は、大腸の病気が徐々に増えてくる年代です。
単なる食べすぎや体調不良と決めつけず、気になる症状が続く場合には一度しっかりと検査を受けることが重要です。
このような排便の違和感を詳しく調べる方法として、大腸カメラ検査があります。
大腸カメラは肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体の内部を直接観察できる検査です。
カメラによって大腸の粘膜の状態を詳細に確認できるため、ポリープや早期のがんなど、症状が現れる前の段階で発見することが可能です。
楽に大腸カメラを受けるためにできること ~検査前日の過ごし方~

大腸ポリープや大腸がんは、初期段階ではほとんど症状がありません。
そのため、自覚症状が出る前に見つけることが、命を守るための大切なポイントになります。早期発見のためには、大腸カメラによる定期的な検査が有効です。
ただし、大腸カメラは胃カメラとは異なり、前日にしっかりとした食事制限や準備が必要となります。
正確な診断結果を得るためには、検査前日の過ごし方も重要です。
以下の4つのポイントに注意しましょう。
消化のよいものを選ぶ
揚げ物や脂っこい肉料理は避け、おかゆ、うどん、煮込み料理など、水分を多く含んだ柔らかい食事が理想的です。
- 食物繊維の多い食材は控える
海藻類、キノコ、豆類、ごぼう、さつまいもなどは避けてください。 - 飲み物も、青汁、スムージー、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、アルコール類は控えるようにします。
- 脂肪分の多い食品を避ける
豚バラ肉、ソーセージ、脂の多い魚(サバ、ブリなど)は消化に時間がかかるため、前日は控えてください。 - 食べすぎないこと
腹八分目を心がけ、腸内に内容物を残さないようにしましょう。
これらの点に注意して過ごすことで、検査がスムーズに行え、正確な結果につながります。
大腸カメラの不安をなくすには

大腸カメラに対して、「恥ずかしい」「下剤を飲むのがつらい」「痛みがありそう」といった不安を抱える方は少なくありません。
しかし、現在では医療機関ごとにさまざまな工夫がなされており、負担を最小限に抑えた検査が可能です。
たとえば、当院ATSUSHIメディカルクリニックでは、羞恥心への配慮として、肛門部だけが露出する専用の検査着を使用しています。
また、下剤も味のバリエーションが増え、以前より飲みやすくなっています。
苦痛を最小限にするため、鎮静剤を用いた検査も行っており、ウトウトと眠っているような状態のうちに検査を終えることが可能です。
さらに、プライバシーに配慮した個室での対応や、同性のスタッフによるサポートなど、安心して検査を受けていただける環境を整えています。
実際に受けた方からは「思っていたよりも楽だった」「もっと早く受ければよかった」といった声をいただいています。
まとめ
便秘やお腹の張り、排便習慣の変化など、ちょっとした不調を年齢や生活習慣のせいにして見過ごしてはいないでしょうか。
大腸の病気は初期には症状が現れにくいため、気づかないうちに進行していることもあります。
特に大腸がんは、日本人にとって非常に身近な疾患の一つであり、がんの部位別罹患数でも上位に位置しています。
しかし、早期に発見し適切な治療を行えば、十分に治癒が見込める病気でもあります。
今回ご紹介したように、大腸カメラはがん予防・早期発見に非常に有効な検査です。
また、不安を軽減するための工夫も進んでおり、多くの方が安心して受けられる体制が整っています。
少しでも気になる症状がある方は、この機会に検査を検討してみてください。
健康を守る一歩として、大腸カメラ検査を前向きに考えることをおすすめします。