ブログ 内視鏡検査 胃カメラ

症状がなくても胃カメラ検査を~健診で見逃さない未病のサイン~

投稿日:2025年11月20日 更新日:

患者様に説明を行う院長鈴木

胃カメラ検査は症状がある人だけ受けるべきものなの?

静岡県浜松市のATSUSHIメディカルクリニック、院長の鈴木淳司です。
健康診断などで胃カメラ検査を勧められても、「胃が痛くないから」「食欲もあるし問題ない」と考え、検査を受けない人は少なくありません。
確かに、胃カメラ検査は前日からの食事制限や検査中の不快感など、身体的にも心理的にもハードルを感じやすい検査のひとつです。

しかし、胃や食道、十二指腸の病気の多くは、初期の段階ではほとんど症状が出ないことが知られています。
特に、慢性炎症やポリープ、早期の胃がんなどは、自覚がないまま進行してしまうケースも珍しくありません。
気づいたときには、すでに手術や積極的な治療が必要な状態になっていることもあります。

だからこそ、胃カメラ検査は「未病」の段階で病変を見つけるための有効な手段として活用されるべきなのです。
まだ症状が出ていない今こそ、体の中に潜む変化を知るチャンスでもあります。

痛みがない、違和感がない=健康とは限りません。
将来の自分の健康を守るために、予防の一環として胃カメラ検査を取り入れることが大切です。

健診で異常なしでも安心できない理由

毎年の健康診断で「異常なし」と言われると、つい安心してしまうものです。
しかし、健診の結果が正常でも、実際には見逃されている病気が存在する場合もあります。

健診で行われる胃の検査の多くは、バリウムによるX線検査や簡単な問診です。
これらは胃全体の大まかな形や異常の有無を調べるには役立ちますが、粘膜の小さな変化や微細な病変を見つけるには限界があります。
たとえば、初期の胃がんやピロリ菌感染によって進行する萎縮性胃炎などは、バリウム検査では気づかれにくく、見逃されるリスクがあるのです。

そもそも健診は、病気の診断というよりも「スクリーニング(ふるい分け)」の役割を持つものです。
つまり、精密検査が必要かどうかを判断する入り口にすぎません。

「異常なし=病気がない」と考えるのではなく、「もっと詳しく調べてみるべきかもしれない」という意識を持つことが重要です。

その点で、胃カメラ検査は粘膜を直接観察できるため、より精度の高い情報を得られます。健診の結果に関係なく、自分の体の状態を正しく知るための手段として、内視鏡検査を定期的に取り入れていくことが安心感にもつながります。

胃内視鏡検査

定期的に胃カメラ検査を受けることによる安心感

胃カメラ検査を定期的に受けることで得られるのは、病気の早期発見にとどまりません。「自分の体をしっかり見守っている」という実感は、日々の生活の中でも安心感につながり、健康に対する意識を高めることにも役立ちます。

とくに、ピロリ菌除菌後のフォローアップや、慢性胃炎の経過観察が必要な人にとって、胃カメラは欠かせないツールです。
また、定期的に検査を受けることで、医師との信頼関係も深まり、ちょっとした不調でも気軽に相談しやすくなります。

症状が出てからでは遅いこともあります。
「何もないことを確認する」ことにも大きな意味があるのです。
健康状態をきちんと把握することで、生活の質を保つための準備ができます。
特別な理由がなくても、定期的な胃カメラ検査を「未来の自分のための習慣」として取り入れてみるのも一つの方法です。

まとめ

胃の病気の多くは、症状が出る前の段階で見つけることができれば、治療の負担も軽く、回復もしやすくなります。
しかし、初期の変化は自覚しにくいため、健診だけに頼っていると見逃してしまうこともあります。

胃カメラ検査は、そうした“未病”のサインを拾い上げるための、とても有効な手段です。定期的に検査を受けることは、将来の自分への思いやりであり、健康を保つための前向きな選択といえるでしょう。

何も症状がない今だからこそ、一歩踏み出してみませんか?「見えない部分を確認すること」から、健康への道が始まります。
あなたの毎日が、より安心して過ごせるよう、胃カメラ検査という習慣を選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

-ブログ, 内視鏡検査, 胃カメラ

Copyright© ATSUSHIメディカルクリニック , 2025 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.