静岡県浜松市のATSUSHIメディカルクリニック、院長の鈴木淳司です。
一時的な下痢だと思って、病院に行かずに治療を放置してはいませんか。
ただの下痢だと思っても長く続いているときには、重大な病気が隠れているかもしれません。
未治療のままだと、さらに下痢が悪化する可能性もあります。
下痢が長く続く原因は、年代ごとにさまざまです。
ここでは、下痢症状があるときに注意したい病気について、世代ごとに紹介します。
目次
20~30代で下痢症状があるときに注意したい病気とは
若年者の方に慢性的な下痢症状を引き起こす代表的な病気について紹介します。
過敏性腸症候群
下痢や便秘を繰り返す、腹痛や吐き気、膨満感などの不快な症状が慢性的に続いていても、大腸カメラなどの検査で炎症や潰瘍などが確認されないときに診断されます。
ストレス、暴飲暴食、大腸の機能異常などが原因といわれています。
カンピロバクター腸炎
カンピロバクターという細菌によって起こる感染症です。
下痢や腹痛、嘔吐、発熱が主な症状で、まれに血便を生じます。
牛・豚・鶏の腸管に存在している菌ですが、不十分に加熱した食品や調理器具、手指などを介して汚染された食品から感染します。
潰瘍性大腸炎
大腸の粘膜に、潰瘍ができる炎症性の疾患です。
原因は不明で、下痢、腹痛、血便などが特徴です。症状が悪化すると、下痢や血便の回数や量が増えていきます。
その他にも、体重減少、貧血、発熱などの症状があらわれることもあります。
潰瘍性大腸炎について詳しくは【こちらから】
クローン病
口から肛門までの消化管に慢性の潰瘍や炎症を引き起こす疾患です。
小腸や大腸によく症状がみられます。下痢や腹痛、血便、体重減少、倦怠感などの症状が代表的です。
腸管狭窄や関節炎などの合併症が起こることもあります。
クローン病について詳しくは【こちらから】
40~50代で下痢症状があるときに注意したい病気とは
40~50代の方に下痢症状があらわれたときに、注意したい病気について紹介します。
更年期の影響
女性の場合、更年期を迎えてから下痢症状があらわれだすことがあります。
更年期の影響による自律神経の乱れや冷え性によって、下痢が起こることもあります。
女性ホルモンが低下すると、下痢以外にも尿失禁、脂質異常症、骨粗しょう症などが起こりやすくなります。
大腸ポリープ
大腸にできたいぼをポリープと呼びます。
大腸ポリープを治療せずに放置すると、はじめは小さなサイズであっても少しずつ大きくなり、将来的にがん細胞になるかもしれません。
小さなポリープだと無症状なことがほとんどです。
しかしポリープの大きさやつくられた場所によっては下痢、腹痛、膨満感、血便などの症状があらわれます。
大腸がん
大腸がんの初期症状は、ほとんどの場合で無症状です。
しかし、がんが大きくなって腸の中が狭くなると、便秘や下痢、血便、残便感などの症状があらわれます。
また腹痛、腸閉塞、貧血、嘔吐のような症状が出ることもあります。
60代以上で下痢症状があるときに注意したい病気とは
60代以上の高齢者に下痢症状があらわれたときに、注意したい病気について紹介します。
感染症
高齢になるにつれて、免疫力が低下しやすくなるため、さまざまな感染症にかかりやすくなります。
たとえば風邪、インフルエンザ、感染性胃腸炎などです。下痢以外にも嘔吐、高熱、せきやくしゃみなどの症状をともなうこともあります。
薬剤性の下痢
高齢になると、体にさまざまな不調が出てきます。
持病のある方は、複数の薬を常用している方も多いのではないでしょうか。
たとえば消化器用薬(ミソプロストール、プロトンポンプ阻害薬)、免疫抑制剤、抗がん剤などは、重度の下痢を引き起こす代表的な薬です。
とくに高齢者で腎機能や肝機能が低下していると、これらの副作用が起こりやすくなります。
糖尿病などの病気
高齢者の場合、病気が原因で慢性的な下痢が起こることもあります。
たとえば糖尿病の場合、合併症の一種として下痢が起こるかもしれません。
糖尿病性の神経障害によって、消化管の自律神経が乱れやすくなり、胃腸運動が正常に動かなくなり、下痢が起こると考えられています。
まとめ
単なる下痢だと思っていても、なかなか症状がおさまらないときには、いろいろな病気が隠れているかもしれません。
また、その病気は年代によって異なります。
下痢症状が気になる方は、静岡県浜松市にある当院まで、いつでもお気軽にご相談ください。
大腸検査(大腸カメラ)については【こちら】のページもご覧ください。