クローン病
クローン病の診断をおこなっております。
クローン病とは
厚生労働省から難病指定を受けている慢性炎症性の大腸疾患です。
口から肛門までの消化官に炎症や潰瘍(粘膜が欠損すること)が起こる病気です。
血便や下痢、腹痛やしぶり腹、発熱や体重減少などの症状が出現します。
倦怠感
肛門病変
肛門病変はクローン病に特徴的です。
痔ろうや肛門周囲膿瘍(肛門のまわりに「うみ」がたまる状態)ができ、肛門に痛みが発生したり、膿が出る症状がみられます。また、炎症の進行により腸管が狭くなることで腸管閉塞となり、嘔気・腹部膨満感・腹痛が出現することがあります。さらに腸管に穴があいて腹腔内に膿がたまったり、瘻孔(腸と腸または他の臓器との間が異常な管状の穴で繫がってしまうこと)を引き起こすことで、発熱や腹痛といった症状が出ます。
発症しやすい年齢
10歳代〜20歳代の若年者に発症しやすい病気です。発症年齢は男性で20〜24歳、女性で15〜19歳が最も多く、男性と女性の比は、約2:1と男性に多い傾向にあります。
クローン病の推定発症年齢
患者数はどれくらい?
2015年には国内で4万人を超え、年々増加傾向にあります。
クローン病医療受給者証交付の推移
原因について
クローン病の発症メカニズムは不明ですが、遺伝的な要因や環境要因、腸内細菌叢の変化などが複雑に絡み合い、異常な免疫応答を引き起こした結果、消化官の炎症が起こると考えられています。
クローン病の検査と診断
主に以下の検査をおこないます。問診やこれらの検査結果を総合的に判断して、クローン病であるか判断します。
(胃カメラ・小腸カメラ・大腸カメラ)
内視鏡検査
造影検査
クローン病と診断した場合は、
信頼のできる
高度専門施設を
すみやかにご紹介いたします。
クローン病の治療
薬物療法や食事療法を中心に、
必要があれば栄養療法を行います。
深刻な合併症がある場合や、
内科的治療で十分な効果を
得られてない場合には
外科手術を検討します。
薬で炎症の症状を緩和させ、症状が落ち着いてきたら、その状態を長く続けられるように治療を継続します。5-ASA製剤は、症状のある「活動期」と症状の落ち着いている「寛解期」の両方で継続投与し、活動期で炎症が強い場合には、ステロイドで効果的に炎症を鎮めます。近年は抗TNF-α抗体製剤(レミケード)を比較的早期に使用するようになってきています。
(ステロイド)
食事による病態の悪化を避けることが最も重要です。消化管への負担の少ない食事をとっていただくため、消化しにくい食物繊維を少なくした「低残渣食」や、「低脂肪食」をお奨めしています。
お奨めするお食事
少ない食事
クローン病は、消化器の広範囲にわたる強い炎症によって栄養障害が起こりやすいため、栄養療法が必要になることがあります。
栄養状態の改善だけでなく、腸を休ませ、食事からの刺激を取り除くことで腹痛や下痢などの症状や、病変の改善を目指します。
経腸栄養剤を利用し、腸から栄養を補給します。
高濃度の栄養輸液を直接血液へ投与して栄養を補給します。
下痢や腹痛が続く場合は、
お早めにご相談ください
当クリニックでは、診察当日にCTや血液検査をおこなうなど、迅速で確実な検査・診断を心がけております。
胃・大腸内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)も、病状や諸状況に応じて、当日検査にも対応しております。
下痢や腹痛が続いて不安に感じられている患者様は、ぜひお早めに受診ください。