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お酒好きは要注意!急性膵炎(すいえん)と慢性膵炎について

投稿日:2023年2月7日 更新日:

静岡県浜松市のATSUSHIメディカルクリニック、院長の鈴木淳司です。

イベントシーンや季節の変わり目など、お酒が美味しくなる季節になると、つい飲み過ぎてしまうこともあるのではないでしょうか。
しかし、お酒を飲み過ぎると病気が発症しやすくなるというリスクがあります。
お酒好きの方に注意してほしい病気はさまざまです。
その中でも今回は、膵臓の病気である急性膵炎と慢性膵炎について紹介します。

院長鈴木淳司

急性膵炎とは

急性膵炎は、膵臓が急性の炎症を起こした病気のことです。
上腹部の痛み、背部の痛み、嘔吐や発熱といった症状が代表的なものです。
しかし病気の状態が悪化すると、意識障害になるなど重症化のリスクもあります。

急性膵炎の原因としては、主にアルコールと胆石です。
アルコールを摂取すると、膵臓の細胞をアルコールが傷つけてしまいます。
また膵液を過剰に分泌させてしまうことで、大量の膵液によって膵臓が炎症を起こしてしまうのです。
また胆石が原因で起こっている膵炎では、胆石が十二指腸の一部に詰まってしまうことにより、胆汁が分泌されなくなって、黄疸の症状があらわれます。

さらに尿の色が濃くなって茶褐色の尿が出るのも特徴的です。
その他にも薬剤の副作用や手術後の合併症なども急性膵炎の原因として知られています。

慢性膵炎とは

慢性膵炎は、肝臓の正常な細胞が壊れて繊維化した状態です。
慢性膵炎の初期では膵臓の機能が保たれているのですが、病状が進行するに従って、少しずつ膵臓の機能が低下していきます。
さらに病状が悪化すると、膵臓の機能がほとんど働かなくなるのです。

慢性膵炎の代表的な原因としては、過度な飲酒と原因不明の特発性です。
また自覚症状として体重減少、消化不良、下痢、糖尿病の悪化などが知られています。
さらに重症になると、血圧が低下して頻脈になる、冷や汗・めまいが出る、意識がはっきりしないなどの直接命にかかわるような症状もあらわれます。

膵炎の治療方法

血液検査や尿検査、画像検査、現在の症状などを調べた結果、医師が膵炎だと診断したときには、速やかな治療が必要です。
ここでは一般的な膵炎の治療方法について紹介します。

・薬剤

腹痛があるときには、痛み止めやタンパク分解酵素阻害薬などを使います。
また水分や電解質を補うために輸液を注射することもあります。
さらに感染症を防ぐ目的で抗生剤を使うこともあるかもしれません。

・栄養管理

膵液の分泌をおさえるために、絶食と絶飲することもあります。
そのときは不足した栄養素を点滴などで補います。

・手術

膵炎が悪化したときには、内視鏡を使った手術や、メスを使った手術が必要な場合もあります。

・生活習慣の改善

禁煙、禁酒により、病状が悪化するのを防ぎます。
高脂肪食は膵臓への負担が大きくなるため、低脂肪食をオススメします。
また胆石症や高脂血症など膵炎の原因となりがちな病気があるときには手術後も引き続き治療します。

膵炎には複数の治療方法があり、一人ひとりの病状にあわせて適切な治療方法を選びます。
症状が悪化しているときには、集中して治療を受けるために入院が必要になるかもしれません。

まとめ

膵臓には食物を消化して、各種ホルモンにより糖分をエネルギーに変える働きを調整するという大切な役割があります。
急性膵炎や慢性膵炎になると膵臓の働きが低下してしまうため、腹痛、吐き気、下痢などのさまざまな自覚症状があらわれるかもしれません。
さらに重症になると、ショック症状など命にかかわるような症状が発生することもあります。

急性膵炎と慢性膵炎は、どちらも飲酒が大きな原因となっています。
医師から禁酒するように言われたときには、生活習慣を改めることも大切です。
静岡県浜松市にある当院では、消化器内科・内科・外科内視鏡センターを併設しています。
お酒好きで気になる症状がある方や、理由のわからない症状に悩んでいるときには、ぜひご相談ください。

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