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女性が消化器内科で痔の治療を受けるときに気になること

投稿日:2025年5月23日 更新日:

女性に多い痔の悩みとは

静岡県浜松市のATSUSHIメディカルクリニック、院長の鈴木淳司です。

痔というと、どうしても「男性に多い病気」というイメージを持たれる方が多いかもしれません。

しかし、実際には多くの女性も痔を患っており、むしろ女性ならではの理由で痔になりやすい傾向があります。

まず、女性は男性に比べて腸が長く、ホルモンバランスの影響もあって便秘になりやすい体質です。

特に黄体ホルモンの分泌が活発になる時期(生理前や妊娠中)には、腸の動きが鈍くなり、排便がスムーズにいかなくなることがあります。

また、極端な食事制限や朝食を抜くような無理なダイエットも、便秘を引き起こす原因となります。

便秘が続くと、排便時に強くいきむ必要があり、その圧力で肛門の粘膜が切れてしまい「切れ痔」になってしまうことがあります。

さらに、妊娠中は体内の血液が胎児や子宮に集中しやすく、肛門周辺の血流が悪くなります。

その結果、静脈が圧迫され、肛門がうっ血しやすくなり、痔を発症するリスクが高まります。

また、妊娠中は運動量が減るうえに、ホルモンの影響で腸の動きがさらに鈍くなるため、便秘が悪化しやすくなります。

そして、出産時の強いいきみが肛門に大きな負担をかけ、出産をきっかけに痔になる女性も多いのです。

加えて、女性には冷え性の方が多く、体が冷えることで血行不良になり、肛門まわりの血流も悪化します。

このように、女性特有の体質や生活環境が複雑に絡み合って、痔になりやすい状況を生み出しているのです。

「痔かも…」と思ったら、受診のタイミングは?

痔の症状が現れても、特に女性の場合は「恥ずかしいから」と受診をためらう方が少なくありません。

しかし、早期の診断と適切な治療によって、症状を悪化させずに済むケースは多くあります。

では、どのようなタイミングで病院を受診すべきなのでしょうか。

例えば、排便時やその後に出血が続く場合、肛門まわりに強い痛みや違和感がある場合、市販の痔の薬を使用しても症状が改善しない場合などには、消化器内科肛門外科などの医療機関での受診をおすすめします。

多くの方が「肛門を見せるのが恥ずかしい」「診察に抵抗がある」と感じてしまうのは自然なことです。

しかし、最近では女性の患者様が安心して診察を受けられるよう、プライバシーに配慮した診療体制を整えているクリニックも増えてきました。

実際には、女性の約7割が痔を経験しているというデータもあり、決して珍しいことではありません。

むしろ、痔だと思っていたら実は大腸がんだったという事例もあります。

肛門からの出血や痛み、違和感などの症状が続く場合には、早めに専門の医師に相談することが大切です。

消化器内科での痔の検査方法について

病院での痔の検査と聞くと、「おしりを見せるのが恥ずかしい」「どんな検査をされるの?」と不安になる方も多いでしょう。

ですが、実際には患者様の負担を軽減するため、さまざまな配慮がなされています。

まず、検査は問診から始まります。

いつから、どのような症状があるのか、便秘や下痢の有無、出血の頻度など、丁寧に聞き取りが行われます。

その後、視診や触診といった基本的な診察が行われます。

このときは、診察台に横向きで寝た姿勢で、下着を少し下げるだけで済み、肛門以外の部分を露出する必要はありません。

触診の際には、麻酔用のゼリーを使用してゴム手袋をつけた医師が肛門を確認します。

必要に応じて「肛門鏡」という細い器具を使用して、肛門の内部を観察する場合もあります。さらに、より詳しい検査が必要な場合には、大腸内視鏡検査が行われることもあります。

これは直腸を含む大腸全体の状態を確認できる検査で、痔だけでなく他の疾患の有無も調べることができます。

消化器内科では、肛門鏡を常備していない場合もありますが、その分、内視鏡検査に力を入れているケースが多く、より広範囲の病変をチェックできる点が特徴です。

まとめ

痔は男性だけの病気と思われがちですが、実は多くの女性も悩んでいる病気です。

女性は体質的にも痔になりやすく、妊娠や出産、便秘、冷え性などの影響で痔を発症するリスクが高まります。

しかし、「恥ずかしい」という理由から我慢を続け、受診が遅れてしまう方が多いのも現実です。症状が軽いうちに適切な診察を受けることで、治療の負担を軽くできる可能性があります。

また、痔だと思っていたら、実はもっと重大な病気(例:大腸がん)だったということもあります。出血や痛みなどの症状があれば、「ただの痔だろう」と自己判断せず、早めに消化器内科や肛門外科の医師に相談しましょう。

最近の医療機関では、女性が安心して受診できるよう、プライバシーへの配慮や丁寧な診療体制が整えられています。

おしりの悩みこそ、放置せず早めに解決していくことが大切です。

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